20年以上前、青森県の公社を舞台にした巨額横領事件で話題になったチリ人妻こと、アニータ・アルバラード(51)。現在、母国でタレント活動をする彼女についてチリの街頭で聞くと、所得や性差、宗教観によって「アニータ像」は食い違った。まるでプリズムのように、チリ社会の様々な断面も映し出した。
7月下旬の週末、チリの首都サンティアゴ。高所得者層が多く住むビタクラ区のビセンテナリオ公園は、家族連れでにぎわっていた。
「アニータについて聞かせてほしい」
家族で散歩をしていたフランシスカ・ララ(30)にそう声をかけると、一瞬顔をしかめて、「自慢できる存在ではない。むしろ、チリの恥だと思う」と断言した。「彼女の今の生活を作ったのは、売春や横領金といった悪いお金。そんな生き方は肯定できない」
青森県住宅供給公社の巨額横領事件とは
23年前に発覚した青森県住宅供給公社を舞台にした14億円超の巨額横領事件。当時、青森支局員だった記者が、刑期を終えた元公社職員に50時間を超えるインタビューを行いました。彼が語った事件とは。連載の後半では、金を受け取ったとされるチリ人妻から届いたメッセージも紹介します。記事中の敬称は省略します。
夫婦で散歩をしていた男性(49)は「支持するか、しないか。チリ社会ではいつも議論の対象になる」と苦笑いした。
サッカー選手ら有名人と関係…