「数字の音符」でつづる楽譜集 日本三大囃子継承、千葉の佐原で復刻

有料記事

小林誠一
[PR]

 千葉県香取市ユネスコ無形文化遺産「佐原の大祭 秋祭り」が11日から始まった。その大祭で演奏される佐原囃子(ばやし)の楽譜集が今夏、76年ぶりに復刻された。1948年発行の「佐原囃子集成」。永続を願う地元住民たちの思いが結実した。

 佐原囃子は、神田(東京)、祇園(京都)と並ぶ「日本三大囃子」の一つで、国指定重要無形民俗文化財。佐原が水運で栄えた江戸時代中期に発達したと伝わり、大祭の山車に、下座連(げざれん)と呼ばれる囃子手が乗って演奏される。佐原囃子系の下座連は、成田祇園祭成田市)など、千葉県北東部から茨城県南東部にかけ、広範囲に影響を与えている。

 曲目は40以上あり、ゆっくりとした山車の動きに合わせ作曲された「段物」、はやり歌やテンポの速い「端物(はもの)」、出発や儀式で使う「役物」に分類される。市の紹介冊子は「独特の響きや曲の多さは、他の囃子には類例がない」と記す。

劣化進む独自の「楽譜」

 佐原囃子集成は、主要な曲を…

この記事は有料記事です。残り704文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません