自公の過半数割れを狙う野党、共闘から競争に 進まぬ候補者の一本化
大久保貴裕 小林圭
野党は自民党派閥の裏金問題への批判で足並みをそろえるが、与党と対峙(たいじ)するための選挙協力が調わないまま選挙戦に突入した。主要野党と与党の一騎打ちは前回2021年衆院選の145選挙区から46選挙区に激減。かつての「野党共闘」から一転、各党バラバラで与党に挑む「野党競争」の様相を呈している。
15日午前、全国各地で第一声を上げた野党党首の多くが、裏金問題への批判に時間を割いた。立憲民主党の野田佳彦代表が「きょうは『裏金議員』の選挙区を次々、私は回る。裏金隠し解散ですから」と訴えれば、共産党の田村智子委員長も「裏金事件の幕引きを許さない。政治改革を進めよう」。国民民主党の玉木雄一郎代表は「政治不信の大きな源となった裏金問題に決着をつける」と意気込んだ。
この3党にれいわ新選組、社民党を加えた5党は前回衆院選で候補者調整を進める「野党共闘」を組み、全選挙区の75%の217選挙区で候補者を一本化した。その協力の枠外だった日本維新の会の馬場伸幸代表も、この日の演説で「裏金議員のことを水に流すため、急いで解散したのではないか」と政府与党を強く非難した。
裏金批判は共同歩調だが…
演説では裏金問題への批判で…