第2回やめられないガソリン補助金「禁断の果実」でゆがむ市場、代償は誰が

有料記事資本主義NEXT 復権する国家

笠井哲也
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 コロナ禍やウクライナ戦争を経て、財政拡大の流れが一段と強まった。日本のガソリン補助金は「いつかはやめなければ」と言われながらも3年がたち、さらなる延長も視野に入る。市場はゆがみ、国家の存在がますます大きくなっている。

 北海道千歳市で16日、自民党政調会長小野寺五典衆院選の応援演説に立った。

 「この冬、大変です。当然、電気・ガス、燃料(の料金)を支援します」

 年末に期限を迎えるガソリンなど燃料への補助金を、再び延長する可能性を明かした。

 数カ月前まで、党内の雰囲気は違った。6月の政調全体会議では、補助金の長期化には反対意見が多かった。「いつまでも続けていいものではない」「数千億円単位の財政負担を生む負の側面を認識しないと」。だがいまや、そんな声はかき消されてしまったかのようだ。

 与党・公明党も、野党・国民民主党も、総選挙の公約で補助金の延長を訴える。ほかの野党からも、補助金継続にはっきり反対する声はあがらない。延長は既定路線になりつつある。

■業界団体「公的資金をどっぷ…

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