「近代」歩み語る遺産 国の有形文化財など特別公開 桐生・富岡

角津栄一
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 幕末以降、日本の近代化を支えた産業や、人々の暮らし、文化の近代化の道のりを物語る近代化遺産が11月、全国で一斉公開されている。群馬県桐生市では15~17日、ふだんは立ち入れない歴史的建造物など35カ所が公開される。富岡市では23日に3カ所を公開する。

 明治期、鉄道や造船、製鉄などの事業を所管した官庁、工部省が設立された10月20日は「近代化遺産の日」。この日をはさんで11月にかけて、各地で近代化遺産が公開されている。

 桐生市では、今年7月に国登録有形文化財への新規登録を文化審議会から答申された「日本基督教団桐生教会教会堂」が特別公開される。ふだんは関係者以外には非公開。昭和5(1930)年に建設され、桐生市内に現存する教会建築としては最古だ。「水道山記念館(旧配水事務所、国登録有形文化財)」では、衣食住の視点から人々の生活や文化の近代化をたどる企画展が開催される。

 富岡市で公開されるのは、いずれも国登録有形文化財の建造物。一つは大正8(1919)年建築で、鉄筋コンクリート造りの建築物では県内最古級の「北甘変電所」だ。

 二つ目は昭和9(1934)年の陸軍特別大演習に昭和天皇が県内を訪れたのを機に、青年男女の精神修養を目的に同11(1936)年に建築された、近代和風建築「旧東国敬神道場」。総工費は現在の価格で10億円前後で、県民の寄付でまかなわれたという。

 もう一つは昭和3(1928)年建築の旧一ノ宮町役場(富岡市シルバー人材センター)。装飾が少ない意匠で、昭和初期における鉄筋コンクリート造の様式を今に残している。

 公開日程など詳しくは、両市の文化財保護課へ。

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