海軍オスプレイ4機・最新ステルス14機程度 米軍岩国基地に配備へ
近く更新される米軍岩国基地(山口県岩国市)配備の空母艦載機をめぐり、岩国市は配備計画の概要を明らかにした。空母艦載機部隊(第5空母航空団)には、海軍の輸送機CMV22オスプレイ4機程度と最新鋭ステルス戦闘機F35C14機程度が国内で初めて配備され、約60機規模になるという。
すでに配備容認を表明している岩国市の福田良彦市長が10日、第5空母航空団を搭載する米海軍の原子力空母「ジョージ・ワシントン」を視察した後、記者団に明らかにした。
市によると、福田市長は空母上で、第5空母航空団司令官のコーリガン大佐らと面会した。基地周辺住民の生活環境に最大限配慮した運用▽米空母艦載機離着陸訓練(FCLP)を岩国基地で実施しないこと▽航空機の安全な運用の3点を、口頭で要請した。
コーリガン大佐からは、「岩国でのローカルルールもしっかり理解しており、地元に最大限配慮した空母艦載機の運用を心がける」旨の回答があったという。
市によると、米軍側はFCLPについて、「現段階で岩国基地で行う予定はない」と返答したと説明している。
視察後、福田市長は「新たな空母艦載機が岩国基地に飛来する前に、航空機騒音軽減への努力、航空機の安全対策など、直接お願いすることができ、大変意義深い視察だった」との談話を発表した。
外務省によると、「ジョージ・ワシントン」は今月中下旬に横須賀港に入港する予定。岩国市によると、F35Cが11日に岩国基地に飛来したほか、空母艦載機がその後も到着しているという。
福田市長の視察に対し、松田一志・岩国市議が代表を務める市民団体「住民投票を力にする会」は12日、抗議文を市長宛てに提出した。
市民団体側は、海軍のオスプレイの飛行運用について、「30分以内に緊急着陸できる飛行ルート」をめぐり、市長と米軍側との間で質疑があったかどうかをただした。
市側は視察中に質疑はなかったとし、米軍側は「オスプレイが危険な飛行機であれば、大切なスタッフを乗せるはずがない」と応じたという。