意識を失った糖尿病患者、はねられ死亡した9歳の息子 父親が講演へ
新谷千布美
人を幸せにするように――。願いを込めて「倖(こう)」と名付けた。陽気でやんちゃな性格で、周りの人を笑わせるのが好きだった。
9歳の息子を奪われた父親が今月16日、札幌市内で講演する。これまで匿名で取材に応じてきたが、息子と同じ事故に遭う犠牲者を出したくないと、実名で訴える覚悟を決めた。
西田圭さん(49)。
三男の倖さんは、5月16日午前8時20分ごろ、青信号で横断歩道を渡っていた時にワゴン車にはねられた。小学校への登校中だった。
圭さんは東京で単身赴任をしていた。出勤中に妻からの電話で事故を知った。妻も連絡を受けたばかりで、病院に向かっているという。「意識はあるみたい」。そう聞いて、「骨折かな」と心配しながら出勤した。
約1時間後に届いた知らせは「倖、だめだった」。
倖さんは事故直後「痛い」「…
- 【視点】
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