桜蔭が隣接地タワマン計画見直し求め、都を提訴 「のぞき見の恐れ」
私立中高一貫校で「女子御三家」の一つ、桜蔭(おういん)学園(東京都文京区)が、校舎の隣に建設が計画されているタワーマンションをめぐって、東京都に計画の申請を許可しないよう求める差し止め請求訴訟を起こしたことが分かった。学園側は「日差しが遮られて教育環境が悪化し、のぞき見の危険性もある」と主張している。提訴は8月15日付。
訴状などによると、同校と隣り合う敷地には現在8階建てマンションがあり、これを地上約70メートルの20階建てマンションに建て替える計画がある。周辺には高さ46メートル以下、容積率400%以下とする建築制限があるが、誰でも利用可能な「公開空地」と呼ばれるスペースを設けることで制限緩和が認められる都の総合設計制度を使い、高さ約70メートル、容積率約600%で申請されている。
学園によると、校舎からマンションまで約11メートルしか離れておらず、建築されれば教室には日が差さなくなるという。また、工事が進めば、校舎とマンションの間にある擁壁が倒壊する危険性があるとも訴えている。
計画を審査する立場の都は「許可することに裁量の逸脱はなく、差し止めに理由はないことを主張していく」とコメントしている。