統合再編対象の真庭高の未来を真剣議論 生徒視点の魅力・課題を共有

小沢邦男
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 持続可能な学校と地域のあり方は――。生徒数減少で統合再編の対象となっている岡山県真庭市の県立真庭高校の生徒と地元市議による意見交換会が7日、市議会議場で開かれた。高校生の視点で地域課題を把握し、施策向上につなげようという市議会の取り組み。地域の将来に向け、真剣な議論が交わされた。

 生徒は三つの学科の各学年から計12人が参加し、市議7人と3班に分かれて議論した。テーマは「真庭(真庭高校)の未来について」。会場は熱い論戦を期待し、議場が選ばれた。

 高校生たちは学校や地域の魅力などを列挙した。「座学だけでなく校外での活動が多い」「地域との連携がある」「少人数だから先生が一人ひとりとしっかり向き合ってくれる」……。魅力を書き出した付箋(ふせん)が次々と張り出された。

 一方で「帰りのバスの待ち時間が長い」「自習や地域の人と交流するためのフリースペースがほしい」「廃校にならないで」……。課題や要望も少なくなかった。

 看護科3年の柳本蒼妃さんは岡山市出身。入学前は真庭市には詳しくなく、地理的なイメージすらほとんどなかった。いまは家族に真庭の豊かな自然を自慢する。一方で寮長を務める寄宿舎については老朽化を指摘。「生徒の意見を聞いて改善をしてほしい」と話す。

 兵庫県西宮市出身の看護科3年酒井結愛さんは、7歳上の姉が真庭高出身の看護師。「3年生11人が家族のように仲がいい。私には合っている」。少人数ならではのアットホームさが学校生活に彩りを添える。

 同じく看護科3年の池田莉子さんは「真庭高の魅力をもっと外部に伝えたい」。班の議論のとりまとめで、具体策として食農生産科でつくる野菜の校外での販売や、SNSによる学校行事の積極的な発信を提案した。

 「真庭高はこんなに楽しいんだよって、中学生たちに届けたい」。自らが学校生活を楽しむ姿をPRにもいかしたい。そう笑顔を見せた。

     ◇

 岡山県北部の四つの県立高校が16日、岡山市内で「県北高校留学フェア」と銘打った合同の学校説明会を開く。少人数の教育環境や地域との連携など、4校ならではの学びの場についてまとめて紹介する。県南部の中学生に「県北の高校も選択肢に」と呼びかける。

 高梁城南(高梁市)、勝山蒜山校地(真庭市)、真庭(同)、勝山(同)が参加。少子化や私学への進学増加を背景に、いずれも入学者が減少傾向にある。一人でも多くの生徒に入学してもらうことは、学校活性化のために喫緊の課題だ。

 フェアでは各校がブースを用意。豊かな自然に囲まれた立地や少人数教育、地域とのつながりを重視した学習環境、寮生活などについて教職員らが紹介する。デザイン科や食農生産科、経営ビジネス科といった専門科の、普通科とは一味違う教育内容についても聞ける。

 会場はJR岡山駅西口のオルガホール(岡山市北区奉還町1丁目)で午後1~5時。事前予約フォームを設けているが、申し込みがなくても参加できる。企画を呼びかけた高梁城南の担当者は「県北部の新しい環境で学ぶ『県内留学』を考えるきっかけにしてほしい」と来場を待っている。

 事前予約フォームはQRコードからアクセスできる。問い合わせは、同校(0866・22・2237)へ。

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この記事を書いた人
小沢邦男
岡山総局
専門・関心分野
被災地再生