「パレスチナの大義」形骸化に懸念 ヨルダン川西岸の併合にも現実味

有料記事トランプ再来 世界の視点

聞き手・其山史晃
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パレスチナの政治アナリスト ファディ・アブバケル氏

 米大統領に返り咲くことになったトランプ氏は、1期目で極端にイスラエル寄りの政策をとりました。パレスチナ自治区ガザでのイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘や中東和平への影響について、パレスチナ人の政治アナリスト、ファディ・アブバケルさん(37)に聞きました。

 トランプ氏は大統領選での勝利を確実にした直後、「私は戦争を終わらせる」と発言しました。イスラエルの条件を満たす形でということでしょうが、ガザでの戦闘で停戦を実現させて、仲裁者としての力を示そうとするかもしれません。

 ただ、私はこの発言がイスラエルのネタニヤフ首相に、「トランプ氏が大統領に就任する1月20日までは、ガザでの軍事作戦を加速させてもいい」というヒントを与えたのかもしれないと懸念しています。

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この記事を書いた人
其山史晃
中東アフリカ総局長
専門・関心分野
中東、安全保障、地政学、テロリズム
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