イプシロンS燃焼試験で2回連続の爆発 識者「H3への影響も心配」

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佐々木凌
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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は26日、開発中の基幹ロケット「イプシロンS」のモーター(エンジン)燃焼試験で異常が発生したと発表した。爆発したとみられる。けが人はいないという。失敗の原因は不明。今年度中を予定していた打ち上げは絶望的となり、日本の宇宙開発に影響を与えるのは必至だ。

 JAXAによると、今回の試験は2段目のモーターの燃焼性能を確認するのが目的。昨年7月に能代ロケット実験場(秋田県)で行われた試験でも爆発事故を起こしており、今回は対策を講じての再挑戦だった。

 試験は鹿児島県種子島宇宙センターで午前8時半に開始した。約2分間の予定だったが、中継映像では、49秒後に「ドン」という爆発音とともに火花が散り、火柱と白煙が広がった。

【動画】イプシロンSのモーター燃焼試験で異常発生、爆発の可能性=KKB鹿児島放送提供、遠藤雅彦撮影

 イプシロンは固体燃料の小型…

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この記事を書いた人
佐々木凌
科学みらい部|宇宙担当
専門・関心分野
宇宙、原発・エネルギー、災害・防災
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    藤井涼
    (UchuBiz編集長)
    2024年11月26日13時19分 投稿
    【視点】

    JAXAは試験前日の11月25日に、イプシロンSの再地上燃焼試験について概要説明会を開き、昨年の事故の原因やその対策などもしっかり説明していただけに、続けて事故が起きてしまったことに驚きました。詳細を待ちたいと思いますが、今回の燃焼試験では

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    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2024年11月27日2時14分 投稿
    【視点】

    世界のロケット市場でSpaceXやロケットラボなど、民間企業が圧倒的な存在感を見せる中、政府開発のロケットが上手くいっていないのはかなり残念な感じがする。前回の失敗を受けて、更なる調整を進めて成功を目指したわけだが、それが失敗したことで今後

    …続きを読む