部を引っ張る2年生コンビ 三条市立本成寺中学校

茂木克信
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 打楽器の2人がリズムを取る中、管楽器の8人がいすに浅く座り、足を浮かせた状態で音を出す練習をしていた。すべての息を楽器に吹き込むための基礎練習で、その名も「いす腹筋」だ。

 「もっと長くできる!」「はい、がんばれー」。部員の間を歩く顧問の西山愛美教諭(28)が声を飛ばす。それに応え、2人きりの2年生、フルートを受け持つ部長の坂井愛美花(あみか)さん(13)と、ユーフォニアム担当の副部長の佐藤心緒(みお)さん(14)が懸命に食らいついていた。

 坂井さんは小学生の時からピアノを習っていて、入学時から吹奏楽部に入ると決めていた。だが、クラスの友だちは、だれも「私も入る」と言ってくれなかった。

 「どうしよう……」。困っていたとき、別のクラスの佐藤さんを思い出した。子どもの頃からの友だちで、佐藤さんもピアノを習っていた。

 佐藤さんは陸上部に入るつもりだった。だが、放課後になるとクラスに迎えに来る坂井さんに連れられ、体験入部で管楽器に触れるうち、吹奏楽部への入部を決めた。

 「帰宅してからでも走れるけれど、管楽器は学校でしかできない。何より、一からみんなで音楽を作りあげていくのが楽しくて」と佐藤さん。

 今年8月末に3年生9人が引退してから、2人で部を引っ張っている。今月の県アンサンブルコンテストには、トランペットとテューバを受け持つ1年生2人と4人で出場する。「全員での演奏とはまた違う楽しさがある」と坂井さんが言うと、佐藤さんも「指揮者がいないので、よく聞き合わないとね」と相づちを打った。

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この記事を書いた人
茂木克信
新潟総局|行政担当
専門・関心分野
地方自治、くらし経済、依存症、セカンドライフ
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