火力発電頼み脱却 奄美の住宅に太陽光導入へ 九電子会社など新事業
蓄電池を併設した太陽光発電を初期費用原則無料で住宅などの屋根などに設置する事業が、鹿児島県奄美大島で来年度から本格的に始まる。2030年度までに約1万キロワットの太陽光発電の導入をめざす。火力発電に依存している離島の脱炭素化を図る取り組み。
再生可能エネルギー事業を担う九州電力の子会社、九電みらいエナジー(福岡市)と総合商社丸紅(東京都)が事業会社「奄美やねでんソーラー合同会社」を設立し、来年4月から事業を始める。両社が11月27日、記者会見して明らかにした。
住宅や事業所、公共施設の屋根に太陽光発電を設置し、蓄電池も併設する。標準的な規模は太陽光が出力8キロワット、蓄電池が13キロワット。昼間は太陽光で、夜間は蓄電池から電気を賄う。太陽光の電気が蓄電容量を超えるときは売電し、電気が足りないときは送電網の電気でも充電するといった調整を遠隔制御で行う。丸紅は22年から実証実験を始め、23年10月から事業を始めていた。
設置は原則無料。住宅などの側は事業会社と電力販売契約(PPA)と呼ばれる長期契約を結び、使った分の電気代を電力会社でなく事業会社に支払う。太陽光の電気が割安なので、電気代の節約になるという。台風による停電時も蓄電池からすぐに電気が供給される。
変動の大きい太陽光発電を充放電できる蓄電池と組み合わせて、安価で安定した電力供給と脱炭素を同時に実現しようとする事業。奄美で実績を重ねて、ほかの離島など他地域への展開をめざすという。
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