23年ぶりの「土星食」 延岡で撮影成功 宇佐市のアマチュア天文家
高嶋健
土星が月に隠される「土星食」が8日夜に国内で観測され、大分県宇佐市のアマチュア天文家渡辺一司さん(66)が宮崎県延岡市で撮影に成功した。
地球、月、土星が一直線上に並ぶことで起きる天文現象。国内で夜間に観測条件が整うのは2002年3月以来約23年ぶりという。
8日は上弦の月に近い月。延岡市は土星食が観測できる限界線に位置するため、月の縁をかすめる土星の一部が隠れる「接食」が見られた。
渡辺さんは1400ミリ相当の望遠レンズと一眼レフカメラで撮影。午後6時20分ごろから土星が月の縁に近づき、同30分ごろには「接食」の状態に。そこから5分ほどで土星は月から離れていったという。「快晴で空気が澄み、半月が高い空にあるため、月明かりと大気の揺らぎの影響も少ないという、これ以上ない条件でした」と話した。