首都圏で流行「リンゴ病」 妊婦の感染に注意 専門家の危機感の理由

有料記事

朽木誠一郎
[PR]

 両ほおの赤い発疹が特徴の感染症「リンゴ病」(伝染性紅斑)が全国的に急増している。首都圏の1都3県は警報基準に達したとして注意を呼びかけた。健康な大人や子どもが重症化することはまれだが、妊娠中の人にとっては重大なリスクが潜む。感染すると流産や死産の原因になることがあるが、ワクチンはないなど予防が難しい。国などの対策が後手に回る中での再び流行に、専門家は危機感を募らせる。

 「もし、あのとき『検査して』と医師に強く訴えなかったら、原因がわからないまま、流産、死産になっていたかもしれない」

 都内に住む30代の女性はそう振り返る。

 4~5年周期で流行するリンゴ病は、前回2019年から20年にかけて流行した。女性は19年の春、第2子を妊娠中にリンゴ病に感染し、胎児が危険な状態になって入院した。

 くしゃみや鼻水、からだのだるさの症状があった。妊婦健診で相談すると「花粉症でしょう」と担当医に言われた。だが腕に発疹が出ていた女性は違和感を抱き、自治体からの妊婦向けの配布物の一文を思い出した。

 妊娠中はリンゴ病に気をつけ…

この記事は有料記事です。残り2260文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
朽木誠一郎
デジタル企画報道部
専門・関心分野
医療、ヘルスケア、くらしの安全、テクノロジー