苦悩を越え、「自分は自分でよかったな」 最後に輝きを放った大堀彩
安藤仙一朗
苦難を乗り越えてきた自負が、最後の力を与えたのだろう。
中国・杭州で開かれたバドミントンのワールドツアー(WT)ファイナル(11~15日)。この大会限りでの現役引退を発表していた、女子シングルスの大堀彩(28)=トナミ運輸=が輝きを放った。
ツアーの上位8選手だけが進める頂上決戦。大堀は初出場だったが、臆することはなかった。「リラックスして全てを出し切る。勝っても負けてもこれで最後だから」
4選手による総当たりの1次リーグ。初戦でパリ五輪銅メダルの選手を破って勢いづくと、世界ランキング2位の中国選手も撃破。3戦全勝で突破した。準決勝で敗れたが、銅メダルを獲得。「自分でも全く想像していなかった」ほどの快進撃だった。
両親とも元選手というバドミントン一家に生まれた。父は、次の日本代表ヘッドコーチに決まっている均さん(56)だ。
その父が果たせなかった五輪…