「アイドルやめたい…」からかなえた夢 あの夜、大盛真歩は変わった

有料記事アイドル道

小松隆次郎
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 AKB48の大盛真歩さんにとって、それは「夢のまた夢」だった。幼稚園生のころから憧れたアイドルになって6年半。一度は心が折れながらも、大好きな道をあきらめずに歩み続け、初の写真集発売をつかみとった。

AKB48 大盛真歩 1st写真集「ずっと、好きでいたい」(KADOKAWA)を発売

 12月5日の発売当日は、25歳の誕生日。ファンに向けた配信直前、その喜びを隠しきれなかった。

 「待ち望んでいたファンの方に報告できることが一番うれしかった。この写真集には、私のことをずっと好きでいて欲しいという思いがたくさん詰まっています」

 撮影は今年7月、伊豆諸島新島式根島で行われた。一番の「激推し」はウサギのぬいぐるみを抱えたカット。AKB48のオーディションでウサギのぬいぐるみとともに配信したところ「ぴょんちゃん」と呼ばれ、愛称「まほぴょん」の由来にもなった。「かわいく撮れた」と自画自賛するほどのお気に入りだ。

 「普段のアイドル活動で素の部分を見せるときは少ないんですが、この1冊には私の自然体の表情、私の全てが詰まっています」と笑顔を見せた。

選抜に入れず、心が折れた

 2018年、18歳のときにAKB48に入った。順調に経験を重ねて迎えた21年6月、シングル「根も葉もRumor」の選抜発表。「ここで入らなければ二度とない」と自信を持って臨んだが、名前は呼ばれなかった。心が折れた。

 「AKB48をやめたい」。その夜、両親に泣きながら電話をかけた。それでも、大好きなアイドル以外、やりたいことが思いつかなかった。「もう少しがんばってみよう」。そんな気持ちで続けていくうち、初選抜やテレビ番組出演のチャンスが舞い込んだ。

 「それまでは『がんばらなきゃ、がんばらなきゃ』と、楽しむことを忘れていました。楽しんでいたらうまくいって、何ごとも楽しむことは大事だと実感しました」

「しかってくれた」祖母の前で堂々と

 グループのムードメーカーとして活躍を続け、今年9月には地元・茨城での出張公演で凱旋(がいせん)を果たした。観客席には、活動初期のころ、東京行きのバス乗り場まで車で送ってくれた祖母の姿があった。

 「朝が苦手で遅れがちな自分に、『ダメだよ』としかってくれることもありました。そんなおばあちゃんに、アイドルとして堂々と歌って踊っている姿を見せられたことがうれしかったです」

東京ドームへ「AKB48を盛り上げる」

 AKB48は「結成20周年イヤー」に入った。新劇場がオープンし、第2期黄金時代、そして東京ドームを目指して走り始めている。アイドルに魅せられ、アイドルになった25歳は躍進を誓う。

 「AKB48を盛り上げるために、いろいろなところで活躍して、ファンの方に幸せな気持ちや日々の活力を与えられるような存在のアイドルになりたいと思います」

大盛真歩さんロングインタビューを公開!

 インタビュー詳細は次の通り。

――AKB48に入って7年目、25歳の誕生日に初の写真集を発売。

 雑誌に写真を掲載していただくことが多くなってから、ファンの方から「まほぴょんの写真集を見たい」という声がどんどん大きくなっていき、でも「夢のまた夢だろうな」と思っていました。お話をいただいたときは、信じられないくらいうれしかったです。

――撮影前、「こんな写真が撮りたい」という希望があったか。

 はい、制服での撮影です。もともとアイドルの写真集が好きで、なかでも(元NMB48の)渡辺美優紀さんの制服でのカットに憧れていました。その希望を伝えたところ、制服風の衣装を用意してくれて、朝からさわやかに、素敵に撮っていただきました。

カメラのシャッター切ってくれず…

――撮影は伊豆諸島の新島と式根島で。

 「島へ。」という雑誌でエッセーを連載させていただいていて、島には縁がありました。打ち合わせをするなかで、自然体の表情を撮るには島がぴったりなんじゃないかということで、島に決まりました。新島も式根島も行ったことがありませんでしたが、すごくきれいなので行ってみたいと以前から思っていました。

――撮影で印象に残っていることは。

 これまで経験した雑誌の撮影では、場面ごとにポーズや表情を考えながら決めていました。今回もそういう感じでやろうとポーズを取っても、(写真家の)細居幸次郎さんがカメラのシャッターをなかなか切ってくれませんでした。逆に何も気にせずしゃべっていると、いつの間にかシャッターが切られていくんです。本当に自然体の私を撮りたいということでした。最初は慣れずにポーズを取ってしまうこともありましたが、撮影を重ねていくうちに自然体でいられるようになって、後半は「いいね」と言ってくださり、たくさんシャッターを切ってくれるようになりました。

 2泊3日の撮影でしたが、夜ご飯をみんなで食べているときも「使うか使わないかわからないけど、一応撮ってみよう」と。まさか、使われないだろうと思っていたカットが使われていました。それこそ、ほろ酔いで宿に帰る途中とか、自然な表情がたくさん詰まっている写真集になったと思います。

「私の全てが詰まった1冊」

――一番おすすめのカットは…

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この記事を書いた人
小松隆次郎
東京社会部次長|司法キャップ
専門・関心分野
司法、アイドル