元日の能登半島地震であらわになった災害時の空き家のリスク。南海トラフ地震と首都直下地震で震度6弱以上が想定される地域には、145万戸もの使う目的のない木造「放置空き家」があり、増加に歯止めが掛かっていない。撤去など国も対策を強化するが、効果は限定的との見方もある。
元日の地震で甚大な被害を受けた、石川県珠洲市の正院町西浜地区。海に面したこの地区は、家屋が密集して道幅が狭く、車がすれ違うのも一苦労だ。地震で壊れた家屋の解体作業が、12月に入っても続いている。
その中に、1階部分が崩れ落ち、つぶれたままの家屋がある。区長の浜木満喜さん(77)によると、地震前から空き家で、老朽化のためか傾いていたという。「資産価値もないからなのか、放置されたままだ」と浜木さんは嘆く。
倒壊目立つ空き家、「早く解体を」
同市三崎町寺家でも、地震で損壊したままの家が少なくない。区長の辻一さん(69)によると、震災前に約140軒あった家屋のうち1~2割が空き家だったとみられる。手入れがなされていないためか、他の家屋より倒壊が目立つという。「早く解体してほしい。景観も良くないし、いつ倒れてくるかという不安がある」と言う。
珠洲市によると、2022年の調査で市内に1365軒の空き家があり、うち約60軒が倒壊の恐れや衛生上問題のある「特定空き家」だった。石川県輪島市の18年度の調査では、市内の家屋1万3280棟のうち3120棟が空き家だった。
元日の地震で、輪島市では6千棟以上、珠洲市では3千棟以上の「住家」が全半壊した。これはあくまで「住家」の数字で、人の住んでいない空き家がどれだけ損壊したか、実態は把握できていない。
空き家の解体は、原則として所有者の同意が必要で、連絡がつかないと長年の放置につながる。所有者を捜すにも手間がかかるうえ、連絡がついたとしても、所有者が耐震補強などの対応をするとは限らない。行政の担当者は「震災を機に空き家を解体したい」と口をそろえるが、所有者が分からなければ解体は簡単ではない。
思い出のある家、手放し難しい
家屋の約3割が空き家だとい…
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