米FRB、3会合連続で利下げ 来年の利下げ予想は2回に減

ワシントン=榊原謙 真海喬生
[PR]

 米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)は18日、3会合連続となる利下げを決めた。物価高(インフレ)に一定の落ち着きがみられることを踏まえた。一方で、これまで「年4回」としていた2025年中の利下げ見通し(中央値)については、「年2回」に下方修正した。今後の利下げペースは、これまでの市場予想よりも遅くなる見通しだ。

 17、18日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)で決めた。下げ幅は前回11月会合と同じ0.25%。新たな政策金利は年4.25~4.50%で、ピーク時からは1.0%幅低い水準となる。

 FRBのパウエル議長は会見で、追加利下げには「インフレ(鈍化)のさらなる進展と、労働市場の継続的な強さ」が必要だと指摘。これまで利下げを進めてきたことで、今後の利下げを「慎重に判断できる」とも述べ、利下げペースの鈍化を示唆した。

 22年6月に9.1%を記録した米消費者物価指数(CPI)の上昇率は、9月には2.4%まで下がった。FRBは政策金利を高く保ちすぎることによる雇用への悪影響に配慮し、9月に利下げを開始していた。

 ただ、FOMC参加者が3カ月ごとに更新する先行き見通しでは、25年の利下げ(0.25%幅想定)回数が、前回9月時点に比べて2回分減った。

 足元では、CPI上昇率が2カ月連続で加速し、直近11月は2.7%となるなど、インフレ圧力がしぶとく残っている。年明けに就任するトランプ次期大統領の政策が、インフレを再燃させかねないことへの懸念もくすぶる。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
榊原謙
アメリカ総局|米国経済担当
専門・関心分野
米国経済、世界経済