「X凍結」業務妨害を主張 兵庫知事選で次点、稲村氏陣営の告訴受理
先月投開票された兵庫県知事選をめぐり、県警は20日、落選した稲村和美氏の後援会が運営するX(旧ツイッター)アカウントが選挙期間中に凍結されたことなどについて、偽計業務妨害容疑の告訴状と公職選挙法違反容疑の告発状を受理した。捜査関係者への取材でわかった。
告訴状では、稲村氏の後援会「ともにつくる兵庫みらいの会」が選挙期間中に運営していた二つのXアカウントについて、何者かがX側に虚偽の申告をして凍結させ、運用を妨げたと主張している。
後援会の共同世話人の津久井進弁護士は、凍結された10日間で約2万4千人以上への情報提供の機会が失われた、と訴えている。
また告発状によると、X上で「稲村氏が県庁建て替えに1千億円かける」「外国人参政権を進めている」などの偽の情報が何者かに拡散されたことが、公選法の禁じる「虚偽事項、事実歪曲(わいきょく)公表」に該当するとしている。
津久井弁護士は20日の受理後に開いた会見で、選挙結果に疑義を唱えることや処罰感情に基づいての告訴・告発ではない、と強調。「今後の選挙のあり方について、公正で自由で良いものにするために一石を投じた。市民社会がこのことをしっかり考えてほしい」と話した。
知事選では過去最多の7人が立候補し、前職の斎藤元彦氏が約111万票を獲得して再選された。稲村氏は約97万票で次点だった。