南の地からつなぐ戦後復興の糸 独学の英語駆使し、地雷廃絶に挑む

有料記事人財@World

プノンペン=大部俊哉
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 世界遺産アンコールワットで知られるカンボジア北西部シエムレアプに11月、地雷廃絶を目指す世界約80カ国の政府幹部や専門家が集まった。

 「地雷除去と被害者支援を両立していくにはどうしたら?」

 「個人や団体だけでなく、政府自体の能力開発をすることが必要だ」

 対人地雷禁止条約(オタワ条約)の関連行事で、司会を務めた国際協力機構(JICA)専門家の林明仁さん(45)の問いかけに、地雷の被害を受けてきた南スーダンナイジェリア、カンボジアの担当者が、協力の方向性や課題について次々と意見を出した。林さんは、滑らかな英語でてきぱきと議論をリードしていく。

【連載】悪魔と闘う 「地雷汚染国」からの報告(全4回)

戦後も地中に残り、民間人を襲い続ける地雷。除去に奮闘する人、被害に苦しむ人、記憶の風化に向き合う人、復興を支える日本人…それぞれの今を伝えます。

 地雷・不発弾分野の専門家として、カンボジアの地雷対策センター(CMAC、本部・首都プノンペン)に勤務する林さんは、テクニカルアドバイザーとして、戦争の後遺症に苦しむ国々を支援してきた。

神経使った英語の習得

 大阪府出身。東大の大学院で…

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この記事を書いた人
大部俊哉
マニラ支局長|東南アジア・太平洋担当
専門・関心分野
安全保障、国際政治、貧困問題