川崎重工業が海上自衛隊の潜水艦乗組員の物品・飲食代を支出していた問題で、防衛省は27日、特別防衛監察の「中間報告」を公表しました。防衛産業大手でひそかに続けられた裏金づくり。これまでの取材で浮かんだのは、潜水艦の修理や検査を担う修繕部内で長年引き継がれ、「慣習化」していたとみられる実態でした。
「ちょっと聞きたいことがあります」
関西地方のある中小企業に電話が入ったのは昨年12月のことだ。相手は大阪国税局。税務調査に入るという通告だった。
社長は嫌な予感がした。その2カ月前、インボイス(適格請求書)制度が始まっていた。取引先に消費税率や税額を正確に伝える請求書を発行する制度で、取引の透明化も期待されていた。
「やっぱり、ばれたか」
この会社では長年、ひそかに不正経理が続けられていた。課税処分を覚悟した社長に国税局の職員はこう告げたという。
「ターゲットは川重。その反面調査です」
国税局は今年1月、この会社を訪れ、複数のリストを見つけた。記載されていたのは、電化製品やゲーム機など。リストの冒頭に、海上自衛隊の潜水艦名と役職名が記載されたものがあった。
川崎重工業による潜水艦乗組員への裏金接待疑惑。その本格調査が始まった。
多岐にわたる「要望品」 100万円超の飲食も
裏金づくりの土壌となった架…
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