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　韓国の最大野党・共に民主党は26日、弾劾（だんがい）訴追された尹錫悦（ユンソンニョル）大統領の権限を代行している韓悳洙（ハンドクス）首相に対する弾劾訴追案を国会に提出した。27日に採決にかける方針だという。代行体制を率いる韓氏まで弾劾訴追されることになれば、尹氏の「非常戒厳」宣布から続く国政の混乱はさらに深まりそうだ。

　尹氏の弾劾審判を担う憲法裁判所の裁判官の欠員補充をめぐり、韓氏が26日に談話を発表し、任命を保留する方針を示したことなどに共に民主党が反発した。

　憲法裁の裁判官は9人のうち3人が欠員。審判では6人の賛成で尹氏の罷免（ひめん）が決まるため、速やかな補充を求める野党側と、代行の韓氏には任命権限がないとする与党が対立していた。国会ではこの日、3人の裁判官の任命同意案が野党主導で可決されたが、任命されないままの状態だ。

　また、共に民主党は弾劾案で、尹氏の非常戒厳宣布による「内乱犯罪」に韓氏が積極的に加担したか、少なくとも黙認したとも主張した。

　弾劾案が可決されるかは、「可決ライン」の解釈に左右されそうだ。大統領の場合と同じ在籍議員の3分の2の賛成が必要と主張する与党に対し、野党は首相なら過半数で可決できると主張。3分の2なら与党の反対で否決できるが、共に民主党出身の国会議長は26日夜の時点で可決ラインを明言していない。

　一方、警察などの合同捜査本部は26日、非常戒厳の宣布をめぐり、尹氏に29日に出頭するよう通知した。捜査本部による出頭要請は3度目。尹氏は18日と25日にも出頭を拒否していた。