第8回温泉ない逆手にサウナのまち フィンランド手本に「やさしい世界」

有料記事Changin’

聞き手・徳山徹
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 源泉数、湧出(ゆうしゅつ)量ともに他の追随を許さない、名実ともに「おんせん県」の大分県で、温泉がない自治体が二つある。そのひとつ、豊後大野市は、それを逆手に取って「サウナのまち」でPR。豊かな自然に抱かれる「アウトドアサウナ」と銘打ったコンセプトが話題だ。仕掛け人の高橋ケンさん(42)がめざすのは「やさしい世界」。その心とは――。

Changin’(8)

2025年は巳年。脱皮を繰り返し成長する蛇のように、「変化」しながら前に進む九州ゆかりの人たちに話を聞きました。

 《「山奥すぎて立地が最強に悪い宿」と自ら紹介する大分県豊後大野市の宿泊施設「LAMP(ランプ)豊後大野」の支配人。人里離れた山奥に、サウナー(サウナ愛好家)が集まる》

 曲がりくねった細い道を延々と上り、街から車で1時間かかる。暗くなるとシカが道に出てくる。そんな距離感をポジティブにとらえるための表現です。ただ、集客には頭を悩ませました。豊後大野市には温泉がない。自然は豊かだが、目玉になるものが何もなかったんです。

 動物を集めて「ムツゴロウ動物王国」のような宿泊施設にするとか、いろいろ考えたけど、結局どれも実現しなかった。

 《転機は2018年。同僚に、福岡のサウナに連れていかれて「ととのった」》

 それまでサウナってオジサン…

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