このほど、選抜高校野球の出場校が決まった。全国大会に参加するチームが予選を勝ち上がって出場するのではなくて、選抜(選考)されて出場するのだから、このあたりの部分についてはサッカーのワールドカップや夏の選手権大会とは違っているものだと割り切るべきだろう。
それはさておき、ちょっと気になったのは、同じ県から3チームを選出しないというルール(内規)があるということ。たしか、震災のあった年には3チーム同じ県から出場したことがあったと記憶しているし、2001年には北関東の県から3チーム選出されたことがあるはず。ついでに歴史をひも解くと、戦前には近畿の県(府ではない)から4チーム出場したことだってある。同じ県から多くのチームが出場することになると、全国的な盛り上がりに欠ける(地元から出場しない県が多くなる)という配慮は理解できるが、なんとなく不公平な内規のような気がする。
そもそも21世紀枠を作ったときに、今後は地域性の考慮は最低限にとどめて実力を優先させると主催者側が言っていたと記憶しているし、地区大会の決勝戦が同じ県のチーム同士の対戦になったときに、東北地方のある県から2チーム選出されたこともある(2001年)。実力を優先させて選考すると言っておきながら、同じ県から3チーム選出しないってのは、どこか筋が通らないような印象が残る。
とはいえ、選考に不平不満があるのなら、夏の地方予選を勝ち上がって実力で選手権に出場すればいいだけのこと。ある程度恣意的にならざるを得ないのは、人間が選ぶ以上仕方のないことなのだろう。東京から2チームの選出には異論もあろうが、個人的には出てほしいと思っていたところが両方とも出場することに決まったのだから、これでいいのかなと思う(私は東京都在住ではないし東京に何のゆかりもない人間だが)。21世紀枠に対する反論も多いようだが、昨年の利府の例(準決勝進出)もあるのだから、近年の21世紀枠出場チームは実力も兼ね備えていることも多いと認識しておきたいところだ。