大会が終わって一週間が経過するが、総括とは別に書き綴っておきたいことがある。今大会では、某国営放送で長きに渡って解説をされていた方が、監督として甲子園球場に戻ってきた。私はテレビをまったく見れていないので知らないのだが、以前と変わらず穏やかな優しい口調で、試合後のインタビューに応じていたと聞く。現場に入り浸っているとテレビを見ることもままならないので、その語り口を聞けなかったことが惜しまれてならない。
その監督さんが発した言葉で、私の印象に残ったのが「上に立つより役に立て」という言葉。このような強い信念を持った大人に指導されて野球に(仕事でも)取り組むことができたなら、その後の人生を生きていく上での指標が、必ず見つかりそうな気がする。よい導きがあれば、どんな子どもでも輝きを放つ人生を送ることができるはず。最近わが国では若者による物騒な事件が多いが、まわりの大人がうまく手を差し伸べていれば、こんなことにはなっていなかったのではないかと思えてならない。
「甲子園で勝ちたい人は熊本を出る、甲子園に出たい人は熊本に残る」というのは私の住む岡山県にも当てはまる。広島東洋カープにいる福井優也や野村祐輔は岡山県出身だが、その後の経歴はご存じの通り(注:西粟倉村出身の福井は愛媛県の済美に、倉敷市出身の野村は広陵に進学した)。野球留学については賛否両論あろうが、私個人は大学に進学するときに遠方に行ったため、気候や文化の違う地域で生活することがどれほど大変なものか分かる。故郷を離れることによって得られる物もあるはずなので、そこにいい導きやいい出会いがあるのであれば、それほど批判的になる必要もないのかなと思う。
そして、高校野球解説者として「2、3000試合は見た」とか。私は20年ほどかけて今やっと600か700試合ほど。最低でもこの3倍は見ないとここまで達観して高校野球を見ることができないのかと思うと気が遠くなる。しかしどんな高い山に登るとしても、まず一歩踏み出すところからすべてが始まる。今年もすでに夏に向けて熱い戦いは始まっているし、これからも選手諸兄のひたむきさをテレビには映らない角度からつぶさに観察していきたいと思う。
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その監督さんが発した言葉で、私の印象に残ったのが「上に立つより役に立て」という言葉。このような強い信念を持った大人に指導されて野球に(仕事でも)取り組むことができたなら、その後の人生を生きていく上での指標が、必ず見つかりそうな気がする。よい導きがあれば、どんな子どもでも輝きを放つ人生を送ることができるはず。最近わが国では若者による物騒な事件が多いが、まわりの大人がうまく手を差し伸べていれば、こんなことにはなっていなかったのではないかと思えてならない。
「甲子園で勝ちたい人は熊本を出る、甲子園に出たい人は熊本に残る」というのは私の住む岡山県にも当てはまる。広島東洋カープにいる福井優也や野村祐輔は岡山県出身だが、その後の経歴はご存じの通り(注:西粟倉村出身の福井は愛媛県の済美に、倉敷市出身の野村は広陵に進学した)。野球留学については賛否両論あろうが、私個人は大学に進学するときに遠方に行ったため、気候や文化の違う地域で生活することがどれほど大変なものか分かる。故郷を離れることによって得られる物もあるはずなので、そこにいい導きやいい出会いがあるのであれば、それほど批判的になる必要もないのかなと思う。
そして、高校野球解説者として「2、3000試合は見た」とか。私は20年ほどかけて今やっと600か700試合ほど。最低でもこの3倍は見ないとここまで達観して高校野球を見ることができないのかと思うと気が遠くなる。しかしどんな高い山に登るとしても、まず一歩踏み出すところからすべてが始まる。今年もすでに夏に向けて熱い戦いは始まっているし、これからも選手諸兄のひたむきさをテレビには映らない角度からつぶさに観察していきたいと思う。
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