高校野球観戦日記

高校野球を見たときことをつづります。 このブログはおもに毎年春と夏に更新しています。テレビに映らないプレーを見るのが宗旨です。

2018/01

ブログ引っ越しの報告

前回ちょっと言及させてもらったが、前のブログからスポーツナビに移転してきてからちょうど9年ほど。スポーツナビのブログがずっとあり続けるものだと思いながら更新を続けてきていたので、このサービス終了の知らせはとてもショックだった。ホームページの時代から合わせるとすでに15年分ほどの記事がたまっているので、移転するにしてもデータ量が膨大になっているし。ただ、このブログはテキスト中心で、写真をほとんど載せていないので、おかげさまでこの一カ月ほどの間になんとかここに引っ越し作業を完了させることができた(※写真データはエクスポート→インポートとは別に、逐一アップしないと技術的に載せられないようなので載せてないけど)。

過去にスポーツナビのブログサービスに広告を掲載する決定がなされたとき、結構な数の異論や反論が投稿されていたと記憶しているのだけど、今回のブログサービス終了に関してはそれほど多くの異論がなかったことがとても意外に思えて。まぁそれなら(=サービス終了に反対する人が少ないのなら)、社の方針でもあるわけだから、一介のユーザーとして受け入れるしかないのかなと思うまでに2ヵ月ほどかかった。

そこまで達観してしまってからは、スポーツナビのブログには感謝の念しか浮かんでこなかったかな。スポーツナビのブログでは詳しい方から様々なコメントをいただくことで、野球の見方がより深まったことは間違いし、ルールや応援についても多くのことを教えていただいた。サッカーばかりプレーしていたわたしに、野球という違った競技を考察する楽しさを学ぶことができたのは、スポーツナビのブログに関わっていた皆さんのおかげだと思っている。

かつては球場で見たことを思ったまま書くだけのスタイルだったけれど、最近では細かいところを試合後に確認してから書くようになってしまった。ただ、そのせいで大会期間中は、時間の制約があまりに多すぎて。今のスタイルを続けようとするなら、試合を見た時間(およそ2時間)と同じだけの時間がないと、一つの試合についてちゃんとした記事は書けないような状況に陥って久しいわけで。そう考えると、目の肥えた読者の多いスポーツナビから引っ越すことができて、少し肩の荷が降りたような気もするね。このまま続けていたら、いずれ夏の選手権大会の期間中に睡眠不足と疲労の蓄積のために球場のスタンドで倒れてしまい、甲子園球場の医務室行きになっていたことは想像に難くないので(笑)。

それと、ほかの方たちと同様、実は過去にはいろいろありまして。肯定的なご意見をいただくだけでなく、そうではないやつもあったかと。現在ではブログに限らずフェイスブックやツイッターなどで誰でも容易に情報発信できる時代になったけど、この場(ブログ=インターネット上)に文章を載せることがどのような意味を持つのかを考えさせられることもあった。

そして、以前は人のことなど全然気にもしていなかったけれど、現在では知り合いの息子さんが出場している試合を見たりすることもあるわけで。そう考えると下手なことは書けないというか、たいして文章力があるわけでもないわたしなどは、何も書かないことがいかに楽かと思わされることもあったかと。わたしが球場で見ていた試合に出場していた選手に、のちの人生で出会うなんてこともあったりして。最後までストレスなく読んでもらえるように美文を目指してはいるけれど、これでも少しは文章力というか、日本語力(こういう言葉あるのか)が上がったのかなとは思うけどね。

思い返せば、過去に済々黌が併殺の間に追加点を挙げたこととか、成田が同点に追いつかれた後に打者走者の一塁触塁アピールをしたこと(※千葉県大会の試合だが詳細は略)を記事に書いたときには、一日に3万超PVみたいなこともあったりして。どこかでリンクを貼られて広まらない限りそんな閲覧数には達するはずもないのに、こんな拙いブログが短時間の間に大勢の人の目に留まるのはうれしいような気もする反面、もともとわたしがブログを始めた意図とは全然違うので戸惑ってしまってみたり・・・。

ここ5年ほどは子育ての合い間を縫うようにして球場へ足を運び、空いた時間にブログを更新するという日が続いているわけで。これから先、これまでと同じペースで更新を続けることができるかどうかはわからないのだけど、1997年の夏に甲子園球場を訪れたとき第100回記念大会までは現場での観戦を続けようと思ったので、このブログも引っ越しして更新を継続することにしました。

最近では球場で知り合った人たちも増えたので、これからの人生ではその人たちとの人間関係も大切にして生きていきたいと思っています。選抜大会は第90回、そして選手権大会は第100回となる記念の年に引っ越したことは、このブログにとっても節目となるのかなと思います。

第99回選手権終わった

すさまじいまでに観衆と本塁打が多く、そして非常に暑い中でおこなわれた今年の大会が幕を閉じた。今になって思い返しても、大会第4日のあの観衆の多さはいったいなんだったのだろうと思わされる。朝の7時前には球場がほぼ満員となっており、スタンドはギツギツの状態で第一試合に出場する選手の入場を待った(注:選手はだいたい午前7時過ぎにグランドにやってくる)。過去にこんな経験はしたことがないし聞いたこともないが、どういうわけかここ数年、観衆が非常に多くなったと感じるので、その影響だったことは否めないだろう。

個人的なことになるが、今年の大会ではスタンドに観衆が多すぎるので、試合の合い間に私はほとんど動きまわることができなかった。そのせいか私の両足はひどくむくみ、大会が終わってからもしばらくの間は治らなかった。これが蓄積した疲労の影響なのか、それとも尿酸値が高い影響なのか、それとも加齢や日頃の不摂生の影響なのかは分からないが。いずれにせよ、健康に老いることは尊敬に値することなのだと認識を改め、大会が終わってからは飲酒を一切控えるようになった。球場で出会う私の知り合いは、私より年上の人がほとんどなので、少なくとも彼らよりは若々しくありたいと思うわけで。

そんな本塁打が乱れ飛んだ大会で優勝したのは花咲徳栄だった。花咲徳栄は多くの試合で初回に(それも1回表なのでじゃんけんも強かった)得点を挙げたので、早い回に試合の主導権を握ることができたことが重要だったように思える。そして上位打線がよく機能した(事後に数字だけ見ると必ずしもそうではないのかもしれないが)ことが、序盤にリードを奪うことのできた要因だったようだ。

そして花咲徳栄は、いずれの試合でも継投策で勝ち上がった。これは決勝戦で優勝を争った広陵にも当てはまることだが、現状の高校野球では打高の傾向(投低とは言わないが)に抗うことができない以上、もはや一人の投手だけで選手権大会を勝ち上がることは不可能なのだと感じた。今後は選手を集める(語弊があるのかもしれないが)ことのできる私学のほうが、ますます優勢になっていく構図は変わらないのだろう。

準優勝した広陵も、中軸打線の長打と二人の左投手を中心にした継投策で決勝戦まで勝ち上がった。広陵3番の本塁打記録は立派だったし、広陵はチームとしてもよくまとまっていて完成されたチームたと思わされた。決勝戦では残念な結果となってしまったが、私が見る限り#1は全国大会にきてからは本調子ではなかったようなので・・・(少し気の毒だなぁと思いながら試合を見ていた)。

それにしても、金属バットの能力を前面に出すようになった打撃上位の現在の高校野球では、もはやセーフティリードというものは存在しないのだと思わされる試合が多かった。具体的に私がどの試合だと言わなくても、目の肥えたスポーツナビの読者の皆さんなら、思い当たる試合がいくつかあるだろう。この現状が続くのであれば、高校野球では勝ち進むほど投手は消耗品扱いされるので、何らかの対策が必要だと感じるのは私だけだろうか。

そして、これほど多くの長打が続出すると、球場でスコアを付けていて、野球ってこんなにも面白くないものかと思わされることが多かった。これは私のスコアの付け方が独特で、単にスコアブックに打撃記録だけを書き残しているわけではないことも影響しているとは思うが。実際のところ、私の帳面にはそれぞれの打者のときの野手のポジショニングや一球ごとの動きを目に留まる範囲で書いているのだが、それは各打者の打撃記録を覚えていることが前提なわけで。そんな細かい要素をまるで無視するかのように、打球次々とが野手の頭上を越えていくのを見ると、自分の野球観って時代の趨勢に合っていないのかな~などと寂しくも思えてしまって。野村克也さんが、頭上を越えていく打球はどうしようもないと言っていたことを思い出すね。

ともかく、一試合で一人の打者につき6回とか7回も打順が回ってくると、もはや私の頭脳は思考停止に陥ることも多かった。記録を付けるだけで、もう精いっぱいというか。そして私のことはいいとして、この現状が果たして投手保護の観点から見てよいことなのかと考えさせられてしまう。来年からは延長戦になった場合のタイブレーク導入が検討されているというが(※すでに決定が発表された)、軟式の選手権を見る限り、人為的に走者を置くというあのシステムがプレーする側と見る側とに果たして受け入れられるのかなと思うし、それ以外の日程面などにもっと検討すべき事項は多いと感じるのは私だけだろうか。

話は変わるが、今年の大会で何人かの監督さんが勇退された。秀岳館の鍛治舎さん、日本文理の大井さんが頭に浮かぶ。形は違えど、二人ともさまざまな要因が重なって、別の県から熊本や新潟へやってこられた監督さんだ。鍛治舎さんのやってきたことには賛否両論あろうとは思うが、複数投手による継投策を確立させた(世間に定着させたと言うべきか)ことや、打者が追い込まれてからの打撃は、ほかのチームにも少なからず影響を与えたと感じるのは私だけだろうか。

それと大井さんについては、思うところが多いね。私が現場へ足を運ぶようになる以前から、ずっと監督さんを務めてこられていたという話だし。ご存じのない方がいるかもしれないので補足しておくと、大井道夫さんは栃木県代表・宇都宮工の投手として夏の選手権大会で準優勝した経歴を持つ。その後日本文理に赴任されたが、最初は2年だけやってくれとかいう話で理事長さんから依頼された話だったと聞く。しかしその後、やめるに辞めることができなくなり今回の大会まで監督さんを続けてきたのだとか。

新潟県の代表に関しては2009年の決勝戦(日本文理v中京大中京)が有名だが、個人的には年もチームも違うけれど、1999年の新潟明訓のことが思い出される。この年の大会で新潟明訓の試合を2試合とも外野スタンドから見たと記憶しているが、2回戦の試合があった翌日のデイリースポーツに、もとPLの監督さんだった中村さんが“対戦相手の旭川実は外野手が常時深めの守備位置をとっており明訓打線の長打力を意識していたことから雪国チームの打力は上がっていると考えられるので近い将来優勝してもおかしくない”と連載されていたコラムに書かれていたことが今でも強く印象に残っている。

話がそれてしまったが、その新潟明訓を率いていた佐藤監督さんが5年ほど前に勇退され、このたび大井さんも勇退されたので、新潟県の高校野球は第100回大会を前に一つの転機を迎えたと思わされる。

ところで、私も球場に足を運ぶようになって20年が経過したが、近年球場の風景が変わったと感じることが多い。その象徴がタオルまわしだろう。もともとサッカー(Jリーグ)で一部のチームがやっていたように思うが、現在ではプロ野球にも広まっているらしい。サッカーでゴールが決まったときにスタンドの観衆がタオルを回すのは全然気にならないのだが、Jリーグの一部のチームではチャンスになると闇雲にタオルを回すチームがあり、まじめに見る側としては目の前の視界を遮られるので迷惑千万だ。

そしてJリーグの応援の影響を受けた千葉ロッテのタオル回しが、読売などの球団を経由して今では野球にも広まっているとのだとか。私が知るかぎり読売の応援はロッテの真似ばかりしているが、読売のタオル回しは点が入ったときにしかオレンジ色のタオルを回していないようなので、まだ紳士的なように私には思える。しかしこのタオル回し、甲子園球場で行われる高校野球のスタンドに本当に必要なものなのだろうか。

私にはどう考えても必要なものには思えない。しかも今年の大会では、その期間中に主催者側から応援団に対してタオルを回さないようにと通達が出されたとか。アルプススタンドに集結している応援団は、地方大会から続けて応援しにやって来ているので、タオルを回してもいいのではなかろうか。そうではなくて、問題なのはネット裏や内野席にいて煽るだけの低俗な客だろうに。大会が真夏に行われる以上、タオルのスタンド持ち込みを禁止することは現実的ではないので、一般の観衆のタオル回しは即刻禁止するべきだろう。グランドから打球を見るときの野手の視認にも影響しそうだし。

これは個人的な偏見もあるのかもしれないが、スタンドの観衆が近畿地方のチームを後押しすることで劇的な展開となった試合を過去に多数目の当たりにしているので、甲子園球場で大阪府代表のチームが9回裏の守備に就いている状況で、スタンドでタオルが回される様子を見てあり得ないなと感じた。別に高校野球は近畿圏の人だけのものではないのだし、全国各地から球場に足を運ぶ人が増えること自体を否定するつもりもないのだが、野球を分からずにただ球場を訪れる人が多くなったように感じさせられる。いずれにせよ、バラエティ番組をはじめとして高校野球を取り上げるテレビが多くなり、その影響で客層が5年ほど前と変わっていることだけは間違いない。

そしてタオル回し反対などと訴えてしまったが、私が動画サイトで見た神奈川県大会決勝の東海大相模のタオル回しは圧巻だった。 江南スタイルの曲に合わせて一斉にタオルを回す光景はかなりの迫力で、甲子園球場で見たら相当な迫力だろうなどと考えてしまったが・・・(※来年の春、甲子園球場でこれを見ることはできるのだろうか)。

来年は選抜大会が第90回、そして選手権大会が第100回となる記念大会の節目の年。この年に選抜大会や選手権大会ではタイブレークが導入され、高校野球は新たな時代を迎える。そんな折りにこのスポーツナビプラスのブログがサービス終了となるのはいささか寂しい気もするが、どうやら本当に事業方針というか、会社としての営業方針により決まったことのようなので・・・。本当はまだ今年の大会に関して言いたいことは多いのだが、サービス終了となる前に、あわてて一部を書き直して更新することにしました。
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