コロナが奪った25歳の中学生活 路上で倒れていたハナ

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 ハナ(仮名、25)は、この春から始まる中学生活を心待ちにしていた。1年生のときに5回ほど登校したきり、13年ぶりだった。しかし、5月4日未明、東京の繁華街の路上で倒れているのが見つかった。

 幼い頃から母親に暴力を振るわれた。小学3年生で不登校になり、11、12歳の頃には売春を強いられた。14歳のとき、ホテルで暴力団関係者から勧められて覚醒剤を使い、抜け出せなくなった。そして逮捕。4年前のことだ。

 取り調べをした元刑事の男性(62)から誘われ、薬物経験者や家族らが語らう集まりに参加した。親身に気遣ってくれて、金銭や性行為などの見返りを求められないことに驚いた。

 昨年秋。1通の手紙を受け取った。差出人は、東京都内の夜間中学で学習支援員を務める女性(71)。ハナがその後、介護福祉士になるという目標に向かい、実務者研修を受けたり、病院で働きながら小学生の算数から学び直したりしていることを朝日新聞(東京本社発行版)の記事で知り、ペンを執った、という。「様々な学びがそこにはあります」と書かれ、夜間中学に通ってみないかと提案してくれていた。

 当時、勉強に行き詰まっていた。問題集の解説文が理解できず、知人に教わっても、1人ではまた解けなくなった。塾に通う金銭的余裕もない。「そこで学びたい」と思った。

 ハナはお礼の手紙を書いた…

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