インスタ幹部が「依存性」に反論 若者守るため、業界団体の設立提案

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ホノルル=五十嵐大介
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 元従業員の内部告発をきっかけに、世界で36億人の利用者を持つSNS最大手メタ(旧フェイスブック、FB)への批判が強まっている。傘下の写真投稿アプリ「インスタグラム」の若者への悪影響が指摘されており、朝日新聞が入手した内部文書からは、FBが以前からそうした心理的な悪影響を把握していたことが読み取れる。

 インスタの若者に対する悪影響については、内部告発の元になったFBの内部文書に関連の記述がある。2019年11月に社内で共有された、日本を含む6カ国の約2万人を対象にした調査では、自殺願望や自傷行為の悩みをかかえる10代の少女の13・5%が、インスタをみると状況が悪くなると答えた。身体の悩みを抱える少女の32・4%が状況を悪くすると答え、「良くする」を上回っていた。

 昨年3月に共有された別の社内調査では、ティックトックやスナップチャットが、友人や身近な人による「楽しい」投稿が多い一方、インスタは有名人の投稿が多く、「完璧に見えなければいけないというプレッシャー」があるとしている。こうした結果、摂食障害、うつ、孤独などにつながりうるという。

 米上院で8日、この問題をめぐり公聴会が開かれ、インスタのトップ、アダム・モセリ氏が証言した。インスタについて「調査では依存性があるとは示していない」と反論。「不安など10代の少女が抱える12項目の問題のうち、11項目で助けになっている」と述べた。9月に検討を一時停止した13歳未満向けのサービスについては、「10~12歳の問題を解決するものだ」と正当性を訴えた。

 モセリ氏は「人々の安全を守るのは一社だけの問題ではない」と述べ、業界としての対応が必要だと訴えた。若者の安全対策が「きわめて重要」として、利用者の年齢確認の徹底などのため業界団体をつくることを提案した。「業界」という表現を繰り返し、インスタに限らず、動画投稿アプリ「ティックトック」や写真投稿アプリ「スナップチャット」などにも通じる問題だと訴えた。

 だが、2時間半にわたった公…

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この記事を書いた人
五十嵐大介
サンフランシスコ支局長兼編集委員
専門・関心分野
テクノロジー、経済、グローバリゼーション