第2回日本ブームと不買運動、韓国の複雑な胸中 若者が見る歴史問題の先
古代新羅の都があった、韓国南東部の慶州。石窟庵や仏国寺、民俗村などの世界遺産が点在する、韓国を代表する歴史の都に昨年3月、日本式の旅館「友のや」が開業した。瞬く間に人気を集め、20、30代の女性客や家族連れを中心に平日でも予約が困難な状況が続く。
外観も内観も、日本の旅館そのまま。コロナ禍で海外旅行に行けないなか、日本文化を体験でき、インスタ映えもすると評判だ。
1月下旬の平日に訪ねると、22室ある部屋は満室だった。1室2人利用(夕朝食付き)の宿泊料金は、平日で約41万ウォン(約3万9千円)。チェックイン時に夕食と朝食の時間を伝え、フロント横の棚に置かれた浴衣から好みのものを選ぶ。
自慢は全室にある大きめのひのき風呂(120×180センチ)だ。温泉ではないが、山あいの景色を眺めながら湯につかると、日本の温泉旅館に来た錯覚を覚えた。
旅館の玄関前で、浴衣に着替えた大学生の男女3人がスマホで写真を撮っていた。家族同士が仲良く、両親らと一緒に泊まりにきたという。インスタグラムでこの旅館を見つけたという大学生のチョ・ウンさん(19)は「海外旅行に行けないなか、異国の文化を体験できて楽しい。日本の文化や食事が大好き」と話した。
3月9日投開票の韓国大統領選は、20~30代の若者の動向が結果を左右するとも言われています。彼らは先進国となった豊かな韓国で生まれ育った新たな世代で、「ミレニアル世代」とその後の「Z世代」を合わせて「MZ世代」と呼ばれます。一極集中で激しい競争を強いられる韓国社会、そして日本や北朝鮮との関係は、彼らの目にどう映っているのでしょうか。
「経営者は日本人か韓国人か」
友のやを経営するのは李真雨…