感動だけじゃない葛藤、差別 聞こえない親がいる「コーダ」って

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畑山敦子
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 耳の聞こえない親がいる、聞こえる子ども「コーダ」(Children of deaf adults)。コーダの少女を描いた映画「コーダ あいのうた」がアカデミー賞の作品賞などに輝き、NHKがコーダを主人公にしたドラマを放映するなど関心が集まっている。親の「通訳」を担い、親子関係の悩みや孤独、差別に直面するとの声もある中、コーダの当事者たちは何を思うのか。

 両親がろう者で、エッセーや書籍で経験を伝えているライターの五十嵐大さん(38)

――映画を見て感じたことは

 何回か見ていますが、最初に見た時は見ながら途中でメモがとれなくなりました。気持ちがわかりすぎて、苦しかった。主人公のルビーが一生懸命、親や兄の通訳をして、学校では親のことを笑われて偏見をもたれたり、進学という夢のために自宅を出るか、残って家族を支えるべきかで葛藤があったり……。母親が娘のルビーにかなり依存しているところなどエンタメ作品としてある程度誇張されていることを差し引いても、こうした葛藤や差別など一つひとつに身に覚えがありました。フィクションと分かっていても、ルビーが一人のコーダとしてどこかに存在しているかもしれないと思ったら、一人で背負い込まなくていいと、応援したくなりました。

コーダとは

両親ともにか、どちらかでも耳が聞こえない、聞こえる子どものことで、親の聞こえの程度はかかわらない。1980年代に米国で初めて概念が定義された。日本には少なくとも2万2千人いると推計されている。

――自身が差別に直面したことは

記事後半では、コーダの研究者、中津真美さんがコーダの実情、監修しているコーダが主人公のドラマ「しずかちゃんとパパ」について語っています。

障害者だからか

 「障害者の子はしつけもされ…

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この記事を書いた人
畑山敦子
デジタル企画報道部|言論サイトRe:Ron
専門・関心分野
人権、ジェンダー、クィア、ケア