実は「小物」だとばれたロシア 負けられない戦いはどこに帰結するか
ロシアは9日、第2次世界大戦の対独戦勝記念日を迎えました。当初は、2月からのウクライナ侵攻の戦果をここで華々しく祝うはずだったと思われますが、実際にはウクライナ側の激しい抵抗に遭い、国際社会からも孤立し、厳しい立場に立たされています。ロシアは何を見誤ったのか。これからどこに向かうのか。英国のロシア専門家ジェームズ・ニクシー氏(47)に聞きました。
A-stories ウクライナ危機の深層
ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部の親ロシア派支配地域の独立を承認し、ロシア軍を進駐させる方針を決めました。プーチン氏の狙いは何か。ウクライナ危機はどうなるのか。世界や日本の有識者に聞きました。
――ロシアがウクライナに侵攻して2カ月あまりが過ぎました。この間の攻防をどう見ますか。
「端的に言うと、ロシアの大失敗です。ロシアは、簡単に勝利を得られると思い込んでいました。ウクライナを真の国家とは認めようとしないあまり、ウクライナ人の愛国心と抵抗、祖国のために命を捧げる覚悟があれほど発露されるとは考えなかったのです。もっとも、それは欧米側も予想していなかったのですが」
ひねり出した歯磨き粉はチューブに戻せない
「ロシアの能力の低さ、展望のなさと、ウクライナに対する理解の薄さに加え、ウクライナ人自身の勇敢さ、欧米からの軍事援助が、ロシアの企てを妨げたといえます」
「ロシア、というよりウラジーミル・プーチン大統領は、身動きが取れない状況に追い込まれています。いったんひねり出した歯磨き粉をそう簡単にチューブに戻せないのと同様に、プーチン氏は戦果なくして軍を撤退できません。しかし、領土としても、政治的にも、外交的にも軍事的にも、その成果は得られそうにありません」
――ロシア軍はもっと強いのだと思っていました。
「ロシア軍は、短期間の小競…
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