「女性棋士誕生」と書いた日、一度は葬った夢 里見香奈の挑戦

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北野新太
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 挑戦を続ける人は、かつて言った。「私から闘志を取ったら何も残らないです。本当に何も――」。18日午前、将棋の里見香奈女流五冠(30)が「女性初の棋士」を目指す棋士編入試験の第1局が始まった。

 「女性棋士誕生」

 色紙に書いたのは切ない願い事だった。里見は自分の夢としてではなく、今後現れる後継者が実現してくれるであろう希望としてつづっていた。

 2019年4月29日。元号「平成」が終わる日の前日のこと。羽生善治藤井聡太、そして里見。時代を輝かせた将棋界の巨星8人が集う回顧イベントの席上だった。

 それぞれが令和棋界を展望する一幕。華やかな和装の里見は、大きく書いた6文字を掲げながら笑顔を浮かべていた。「将棋を指す女の子も増えています。日本全国、世界中が将棋に触れることで実現することを祈っています」

 もう諦め、葬った夢だった…

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この記事を書いた人
北野新太
文化部|囲碁将棋担当
専門・関心分野
囲碁将棋