「男役、これ以上の経験ない」 元宝塚・樹里咲穂が感じた最高の喜び

有料記事すみれ Forever

田部愛
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すみれForever:41

 どんな役でも自由自在。豊かな表情と確かな演技力で活躍する宝塚歌劇団の元男役スター樹里咲穂(じゅり・さきほ)さんは、1990年に初舞台を踏んだ76期生です。気さくな人柄そのままに、宝塚時代の楽しかった思い出や共演する仲間への思いをたっぷり語ってくれました。

宝塚歌劇団OGのみなさんが、次の人を指名しながらリレー形式で登場するインタビュー企画。今回は、元星組トップ娘役の綺咲愛里さんから、樹里咲穂さんへ。

 在団中に一度、退団しようか迷ったことがあります。「WEST SIDE STORY」(1998年)でアニタ役を演じ、鳴りやまない拍手で進行が中断する「ショーストップ」を経験しました。男役がしたくて入団したのに一番評価されたのは女性の役。複雑な気持ちで、女優としてやっていく方が良いのかもしれないと思いました。

 今思うとあの時やめなくて本当によかった。男役の道を究められましたし、大きな役やディナーショーを経験するなかで、責任ある立場を意識するようにもなりました。

 実際に退団を決めたのは専科の時に出演した宙組の「ファントム」(2004年)。トップスター和央ようかさん演じる主人公の父キャリエール役でした。

 終盤、2人で歌う場面で客席…

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田部愛
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専門・関心分野
心と体の健康、ジェンダー、宝塚歌劇、アイドル