「人生ってすごいわ」前回落選の浅野拓磨、W杯への「4年間思考術」

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藤木健
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 ドイツボーフムは秋晴れだった。

 サッカー・ワールドカップ(W杯)の日本代表メンバー発表直前となった10月31日。ボーフムの練習場には、リハビリに励む浅野拓磨(27)の姿があった。

 俊敏性を意識した動き、ドリブル、両足でのシュート練習。負傷した右ひざにサポーターや包帯はなく、特段気にするそぶりもない。スパイクを履き、1時間以上、トレーナーと2人で汗を流した。その表情は晴れ晴れとしていた。

 「理想とは違うこともあるけど、よくも悪くも刺激ある日々を過ごせている」

 元々はメンバー入りが有力視されていた。サンフレッチェ広島在籍時からの恩師である森保一監督からは、大きな信頼を寄せられている。

 昨年10月のW杯アジア最終予選の豪州戦。日本は1勝2敗と出遅れ、いきなり崖っぷちに立たされていた。この大一番、同点に追いつかれた後に途中交代でピッチに入った浅野は決勝点となるオウンゴールを誘った。

 重圧のかかる場面で仕事ができる存在として、指揮官の起用に応えてみせた。

 状況が暗転したのは、今年の9月10日。

 ドイツ1部リーグのシャルケ戦の試合開始からすぐだった。相手選手にプレスをかけて接触した後、浅野は顔をゆがめた。一度はプレーを続けようとしたものの、すぐにベンチに訴えて交代を願い出た。

 診断結果は右ひざの内側側副靱帯(じんたい)断裂で、数週間の離脱が決定的となった。手術はせずに、保存療法での回復を試みてW杯出場にかけることにした。

 リハビリの日々。ツイッターに思いを吐露した。

 「人生ってほんとにいろいろあるな。すごいわ」

 まったく同じ言葉を、実は本…

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この記事を書いた人
藤木健
スポーツ部|サッカー担当キャップ
専門・関心分野
サッカー、国際関係
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    野村周平
    (朝日新聞スポーツ部記者=スポーツ行政)
    2022年11月1日21時30分 投稿
    【視点】

     どんな人もうまくいかないことは世の中にたくさんあると思いますが、そんな時に記事にある浅野選手の考え方はとても参考になると思います。  W杯周期の4年間をサッカーの1試合にたとえて、ケガなどでうまくいかない時間があっても「焦らなくていい。

    …続きを読む