あなたはつかめない、それを生かせ 愛希れいかが向き合い続ける皇后

有料記事宝塚歌劇団

聞き手・井上秀樹
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 宝塚歌劇団時代を含め3度目のタイトルロール「エリザベート」を、愛希れいかが演じる。子どもの頃に出会い、何度も向き合ってきたオーストリアの皇后は、いまだに謎の森をさまよっているという。

一度は歌いたい音楽

 ――「エリザベート」は宝塚に入るきっかけの舞台だったそうですね。

 最初に見たのは違うんですけれども。中学校に上がって、自分の進路を本当に考えなきゃいけないって時に、宝塚に連れてってもらって、それが「エリザベート」で。

 当時、バレエにもすごく熱中しちゃって、宝塚と同時に、バレリーナになりたい時期もあったんです。でもバレエでは難しいと気づいて、「エリザベート」を見て、やっぱりここに入りたいと思ったのがきっかけというか。頻繁に見に行くことができなかったので、鮮明に覚えています。彩輝直さんが(黄泉の帝王)トートで、瀬名じゅんさんがエリザベートをされてました。月組の公演です。

 ――あらためて、宝塚との出会いを。

 地方公演で、宝塚が(出身地の)福井にも来てくれたことがあって、それを母がチケットをとってくれて、見に行ったのが最初ですね。「エクスカリバー」「シトラスの風」の二本立てでした。宙組の姿月あさとさんと花總まりさん。

 バレエはしてましたが、本当に習い事という感じ。宝塚を初めて見たのは小学2、3年生ぐらい。見終わった後、母に「ここに入る」と言ったらしいです。そこからバレエも本腰入れてと言いますか、すごく頑張りだした記憶があって。

 ――「エリザベート」はどこに興味がありますか。

 小さい頃から曲が好きで、ま…

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この記事を書いた人
井上秀樹
文化部
専門・関心分野
寄席演芸、舞台芸術、大衆芸能