藤井聡太竜王、大一番制す 「きれいな終局図」選んだ斎藤慎太郎八段
将棋の藤井聡太竜王(20)=王位・叡王・王将・棋聖と合わせ五冠=が12日、第81期将棋名人戦・A級順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の4回戦で前期挑戦者の斎藤慎太郎八段(29)を破った。ここまで共に2勝1敗で、リーグ前半の大一番と言える一戦。双方の読みのぶつかり合いの末、トップ棋士同士の勝負にふさわしい「きれいな終局図」が生まれた。
対局場は、藤井竜王のホームグラウンドと言える名古屋将棋対局場(名古屋市)。先手の斎藤八段の誘導で、戦型は角換わりになった。両者の対戦は過去7局(藤井竜王の4勝3敗)あるが、そのうち6局でこの戦型になっている。互いに想定済みとあって、序盤はテンポ良く手が進んだ。
先に仕掛けたのは斎藤八段。9筋の歩の突き捨てを絡めた斬新な攻めで、馬を作ることに成功した。藤井竜王は飛車を中央に据え、反撃の構想を練る。互いに選択肢の多い展開となり、午後は長考の応酬が繰り広げられた。昼食休憩から夕食休憩の間の5時間20分で、8手しか手が進まなかった。
藤井聡太竜王と、前期挑戦者の斎藤慎太郎八段。大注目の一戦の「きれいな終局図」について、片上大輔七段は「先手が別の棋士なら、こうはならなかったかも」と話してくれました。
日中はほぼ形勢が互角で推移…
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