病と戦争が示す人類の自信過剰 東浩紀さん「SNSは思考時間奪う」
「朝日地球会議2022」のオンライン配信が16日始まった。新型コロナ危機とロシアのウクライナ侵攻は、グローバリズムをどう変容させていくのか。人類はテクノロジーとどう向き合えばいいのか。そもそも、私たちにとって「幸せ」とは何か。プログラム「世界の知が読み解くコロナ後の時代」では、米仏で活躍する経済学者2人へのインタビューをもとに、批評家・作家の東浩紀さんや文化人類学者の小川さやかさんらが徹底討論した。
コロナ危機やウクライナ侵攻は、グローバル化の終わりを意味するのか。あるいは、一時的な後退にすぎないのか。経済学者ブランコ・ミラノビッチさんと、経済学者で思想家のジャック・アタリさんへのインタビューを受けた第2部は、この問いから議論が始まった。
二つの理由から一時的な後退だと信じている。一つは今こうして(オンラインで)話し合っているような技術的な変化。もう一つは自己利益を追求しようとする力で、これらがグローバル化の強い推進力になっている。(ミラノビッチさん)
大惨事かもしれないが、あくまで一時的なものだ。なぜならこれから90億人に達する人類はますます多くのものをつくり、買う必要があるからだ。(アタリさん)
2人に共通する「一時的な後退」との見方に対し、両氏にインタビューした青山直篤記者(国際報道部次長)は「果たしてそうなのか。疑問は残る」と投げかけた。ワシントン特派員としてトランプ・バイデン両政権期を取材し、「グローバル化への反発も全く根拠のないものではない」と感じたからだ。
批評家・作家の東浩紀さんは…