餃子の王将、目指した「食のユニクロ」 大東元社長の下で右肩上がり
吉田貴司
王将フードサービスが運営する「餃子の王将」は、看板商品のギョーザ(6個264円~)をはじめとする低価格メニューで人気を得てきた。2013年に銃撃されて亡くなった当時の社長、大東隆行氏は「目指すは『食のユニクロ』」と夢を描いていた。
故・加藤朝雄氏が京都に「王将」1号店を出店したのは1967年。当時はギョーザ1人前6個入りを50円程度で提供し、学生らのファンが増えた。70年代には大阪や東京、愛知などに直営店やフランチャイズ(FC)店を次々と出した。
90年に「王将フードサービス」に社名を変更。朝雄氏が亡くなった後、長男の加藤潔氏が社長となった94年には、全国に400店舗を出店するチェーンに成長し、翌95年には大阪証券取引所第2部への上場も果たした。
2013年に銃撃されて亡くなった大東氏が、4代目の社長に就いたのは00年。69年に入社し、副社長から昇格した。
当時の年間売上高は390億円。一方でバブル期の不動産投資をきっかけに膨らんだ有利子負債は450億円超に達していた。不動産の減損処理などのため、02年3月期決算は最終赤字に。財務の健全化が大きな課題だった。
それまでの拡大路線を転換し…