第4回意見を言わないのは「いい親」か 保育虐待なくすため親ができること

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 保育園児たちを虐待した暴行容疑で、静岡県認可保育園の保育士3人が逮捕されるなど、問題のある保育が各地で明らかになっています。保育政策や国際比較に詳しい日本総合研究所の上席主任研究員の池本美香さんは、保護者ができることについて指摘します。

 ――子どもにとって問題のある保育が、全国で次々と発覚しています。

 不適切な保育を防ぐには、日常的に子どもを守る仕組みがなければなりません。その「仕組み」の中には、園側の努力や行政の関与に加えて、親も保育の中身をチェックして、おかしければおかしいとちゃんと言うことも含まれます。

 OECDも、保護者が園の運営へ参画することを、「保育の質」に深く関わるものとして推奨しています。

 ――保護者の関わりも重要なんですね。

 日本では、ネット上にもメディアにも、自分の子の能力をどう伸ばすかといった情報はあふれていますが、自分の子の通う保育園や学校をどうよくするかという情報は本当に少ないですよね。

 今回の虐待事件で、保護者たちがどのように関わったかはわからないので、あくまで一般論ですが、保育の安全や質を守るためには、「外の目」が大事です。働いている職員だけで閉じてしまうのではなく、保護者や地域など、いろんな人の目が入るようにしなければいけません。

 保護者は園を信頼して預けるものだと思いますが、どのようにして安全が確保されているのか説明を受け、不安があれば改善を求め、実際に改善されているか、日常的に関心を持つことも大事です。

言いづらさはよくわかるけれど

 ――保育園の取材をしていると、送り迎え時に玄関で子どもの受け渡しをして中の様子が見えないという園もよくあります。

 大変危機感を持っています…

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この記事を書いた人
田渕紫織
東京社会部|災害担当
専門・関心分野
災害復興、子ども
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