第3回母が残したものと対話した石内都 透過光で撮る下着はきれいだった

有料記事石内都 横須賀・ひろしま 記憶に向き合う写真

聞き手 編集委員・大西若人

 写真家・石内都さんに半生を振り返ったもらったインタビュー連載「横須賀・ひろしま 記憶に向き合う写真」。全4回の3回目です。(2022年1月~2月に「語る 人生の贈りもの」として掲載した記事を再構成して配信しました)

[PR]

 《「絶唱、横須賀ストーリー」「アパート」「連夜の街」は、粗い粒子と強い陰影で知られた》

 私の場合、ネガが濃いんです。森山大道(だいどう)さんたちの「アレ・ブレ」は意識していなかったけど、よく「森山さんのお弟子さんですか」と聞かれました。それで個展をやるとき、「私はあなたの弟子と呼ばれている者です」と言って森山さんに電話したんです。そうしたらちゃんと見に来てくれた。

 3部作を終えて、個人的にはもう撮りたいものがなくなって、写真をやめようかとも思っていた。

 《1984年、超大型ポラロイドカメラによる作品制作プロジェクトに参加した》

 40歳に近づくって、女性にとっては難しい。長く生きてしまった感じもあるし、中途半端な感じもあるし。だから高校3年のときのクラスメートの女性に声をかけて横須賀の港で撮ったんです。

 彼女たちの背景には、やっぱ…

この記事は有料記事です。残り2063文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

人生の贈りもの

人生の贈りもの

あのときの出来事が、いまの私につながっている――様々な分野で確かな足跡を残してきた大家や名優に、その歩みを振り返ってもらいます。[もっと見る]