大手グルメサイト「食べログ」が、チェーン店であることを理由に一律に点数を下げたのではないか。飲食チェーンがそう訴えた訴訟で昨年6月、東京地裁が食べログの独占禁止法違反を認定した。当時は食べログ側の申し立てで判決の詳細は不明だったが、このほど、判決のほぼ全文が明らかになり、問題とされた評点アルゴリズム(計算手順)の変更内容がわかった。食べログはアルゴリズムの詳細を非公開としており、一端でも公になるのは異例だ。厚いベールに覆われていた秘密の中身とは――。
訴訟では、焼き肉・韓国料理チェーン店「KollaBo(コラボ)」を展開する「韓流村」(東京)が、食べログの運営会社「カカクコム」(同)を訴えた。
韓流村は、独自の調査をもとに「2019年5月に、チェーン店であることを理由に点数を一律に下げる不当なアルゴリズム変更が行われ、損害を被った」と主張した。
東京地裁は昨年6月、変更が独禁法違反(優越的地位の乱用)にあたると認め、食べログ側に3840万円の支払いを命じた。
裁判所が公開範囲を確定
ただこの際、公になったのは判決の結論のみ。「本当にチェーン店であることを理由にした調整がされたのか」など、食べログのアルゴリズム変更の具体的な内容も、地裁の評価も、詳細は明らかにならなかった。食べログ側が、訴訟の当事者以外は見られないようにする「閲覧制限」を申し立てていたためだった。
食べログはもともと、評点は月2回更新し、「新たな口コミを反映する」「食べ歩き経験が豊富な投稿者を重視する」といった点は公表しているが、それ以外の詳細は、不正防止を理由に非公開としてきた。判決文などで明かされてしまえばその意味がなくなる、というわけだ。
裁判所がこの申し立てをどの範囲で認めるべきか検討してきたが、このほど範囲が確定した。裁判所が非公開と認めた一部は黒塗りになっているものの、問題となったアルゴリズム変更についてはほぼ中身が判明した。
明らかになった評点調整の基準
詳細版の判決によると、食べ…