観測史上最大の「紅炎」とらえた 星の重力振り切って宇宙空間へ放出

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桜井林太郎
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 京都大と国立天文台の研究チームが、地球から約400光年の恒星で、観測史上最大の質量を持つ超高速のプロミネンス(紅炎)をとらえた。恒星の重力を振り切って、宇宙空間へ放出されていたことも確認された。

 プロミネンスは恒星の表面で起きるフレア(大爆発)に伴ってプラズマの固まりが噴出する現象。太陽でもよく知られている。

 研究チームは、オリオン座の方向にあり、巨大なスーパーフレアをよく起こす「RS CVn型連星オリオン座V1355」という恒星に注目。京大岡山天文台(岡山県浅口市)にある、東アジア最大級の口径3・8メートルの望遠鏡と、NASAのTESS衛星を使って特定の波長帯の光で観測した。

 2020年12月19日深夜に、この星からの光が増えていることを検出。太陽での最大級のフレアの約7千倍にあたる規模のスーパーフレアが起きていたことがわかった。

 検出されたプロミネンスは秒速1600キロと過去最大級の速度で噴出し、V1355の重力圏から飛び出していた。また、このプロミネンスの質量は1兆トン以上もあり、太陽での最大級の100倍、観測史上最大であることもわかった。

 これまで太陽以外では、元の…

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この記事を書いた人
桜井林太郎
科学みらい部
専門・関心分野
環境・エネルギー、先端技術、医療、科学技術政策