若い世代は選挙での投票率が低い傾向にあります。若者は「政治に無関心」なのでしょうか。一票を投じるまでのハードルはどこにあるのか。
沖縄県で「平和教育ファシリテーター」として活動する、20代の狩俣日姫さんと考えました。
「平和教育ファシリテーター」狩俣日姫さんインタビュー
――10月の衆院選での投票率(小選挙区)は53・85%と戦後3番目の低さでした。日本では、若い世代の投票率が低い傾向にあります。
「政治に興味を持っていますか」という質問は、自分が強く興味を持つものと比べて、「興味ない」と答えやすい問いだなと思います。でも実際は、興味があるかないかに関わらず自分につながるものだと思うので、二分してしまうべきものではありません。
私も「興味ない」と言うタイプでした。高校卒業して1年間オーストラリアで英語を学びました。色んな国籍や背景を持った人のなかで暮らしたことで、当たり前だと思っていた社会が当たり前ではない、と気づきました。当時はまだ政治との距離は遠かったけど、意識が変わったきっかけです。
政治は生活と密接に関わっているものです。社会でより良い暮らしをするために法制度などのルールがあって、私たちはそのルールを実行するために税金を払っています。そのルールを決める政治が、私たちと切り離されていると感じる人が多くいます。そもそも、なぜ投票することが大事なのか、と立ち返ることも必要ではないでしょうか。
――若者は、政治と生活が関わっている実感があまりないのでしょうか。
年齢が上がるとともに、税金…
- 【視点】
「若者の政治離れ」という言説(実態)は,もう何十年と語り続けられています.こうした状況を受けて,まさに狩俣さんが行われているような様々な啓発活動は大幅に増えましたが,若年層の投票率や政治参加率は一向に改善しません. そういったことを考えれば
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