第1回LINEに残されたメガネスーパー「星組」の暗躍 プロ経営者の正体
「メガネスーパー」を窮地から救い出し、再建請負人ともてはやされた経営トップは就任から10年後、持ち株会社ビジョナリーホールディングス(VH)の社長を「一身上の都合」で辞任した。不審な資金などの流れが、あるグループのLINEから浮かび上がったからだ。老舗の眼鏡チェーンで何が起きているのか。第三者委員会の調査報告書から読み解く。
きっかけは2022年12月19日、監査法人が設置する「監査ホットライン」に寄せられた匿名通報だった。監査先の不正などの情報を集め、改善や是正に役立てる窓口だ。
通報には、VH社の社長だった星崎尚彦(56)の22年7~8月の移動や飲食、宿泊などの行動記録とともに、探偵が撮影したような写真が数多く添付されていた。星崎と親密な人物や関係先が名指しされ、不当な利益供与を疑う内容も記されていた。
不正自体の記述は乏しかった。それでも経営トップの疑惑だけに、監査法人は5人の社外取締役に対し、利害関係のない専門家による調査を求めた。指摘された会社への業務委託料が多額だったこともあり、社外取締役らも調査が必要と判断して動き出した。
まずは監査等委員の取締役や外部専門家らによる事前調査が今年1月10日に始まった。
星崎と複数の幹部には、貸与パソコンと私有スマホの任意提出を求め、データを解析するデジタルフォレンジック調査にかけた。
そこから浮かび上がったのが、「星組」と自称する9人の「星組経営会議」。LINEグループ上で星崎の指示が飛び交い、月に何度か議事録が作成されていた。
「体調不良」で聴取を断る幹部も
星組のメンバーは、星崎とV…