旧ビッグモーター元社員が無罪主張 街路樹伐採「指示したことない」
中古車販売大手の旧ビッグモーター川崎店(川崎市川崎区)の街路樹伐採事件で、器物損壊罪に問われた同社の元社員の被告(51)の初公判が19日、横浜地裁(吉井隆平裁判長)であった。被告は「私自身が切ったわけではないし、指示をしたこともない」と起訴内容を否認し、弁護側は無罪を主張した。
起訴内容によると、被告は2022年10月12日、当時の店長らと共謀し、店舗前の歩道のオオムラサキツツジ6本(11万円相当)をのこぎりで切断し、損壊したとされる。
検察側は冒頭陳述で、被告は当時、本部の「環境整備推進委員」を務め、店舗を視察し清掃状況などを確認する「環境整備点検」で、川崎店前の街路樹を指して「木が邪魔だ。低い木は全部切った方が良い」などと述べたと指摘。店長にLINEで木のない他店舗の写真とともに「歩道はこのイメージで!」とメッセージを送り、伐採を指示したと主張した。
被告の弁護人は無罪主張について閉廷後、取材に対し、「写真を送ったのは事実だが、木を切れとは指示していない。誤解している」と話した。
事件をめぐっては、被告から伐採を指示されたとされる当時の店長が器物損壊罪で罰金20万円の有罪判決を受け、のこぎりで切ったとされる当時の従業員が同罪で略式起訴された。