対話型AI(人工知能)の「ChatGPT(チャットGPT)」が2022年11月に登場して半年。その後も複数の生成AIが発表され、AI研究は急速に熱を帯びている。第一人者である東京大の松原仁教授は「鉄腕アトムの世界が近づいてくるかもしれない」と語る。AIはどう進化していくのか、松原教授に聞いた。
――人間の能力を10とすると、チャットGPTの能力はどのぐらいと考えますか。
少し前までのAIは2か3と言っていましたが、チャットGPTは5ぐらいまできたかもしれないと感じます。
――その違いはどこにあるのですか。
技術としては、従来のAIとかけ離れているわけではありません。大量のデータをAIが自ら学んでいく「ディープラーニング」(深層学習)という技術の応用に過ぎないからです。ただ、AIがどれくらいのデータを学習すると、どのくらい賢くなるのかは専門家もよくわかっていませんでした。
チャットGPTの基盤となる言語モデル「GPT―3」は、AIの規模を示すパラメーターが1750億あり、数十億だった従来のAIから大きく増えました。データの量が質に転化し、一気に賢くなりました。
ロボットに生成AIを載せたら
――AIの次なる進化は。
テキストや画像、音声などを…