第1回「第二の故郷」日本に逃れたけど タリバン支配する母国に戻った理由
あのまま日本にいたら、気力を失い、精神的に折れていたかもしれない。だから、大好きな日本を去る決断をした――。
日本留学から戻ってほどなく「政変」が起きて母国を逃れた男性は、日本に一時身を寄せたが、混乱のただなかの故郷に戻った。その思いを語った。
アフガニスタン出身のスルタニさん(40)が、初めて日本に渡ったのは5年前だった。保健省職員だったスルタニさんは日本政府が支援する留学制度に選ばれ、東海地方の大学院に1年間、留学した。
アフガンに対してインフラや保健医療分野の支援を続けてくれていた日本を、自分の目で見たかった。
どこに行っても清潔なトイレ、ゴミがほとんど落ちていない道路、時間通りに来る電車。生活は驚きの連続だった。寮で暮らしながら、日本の介護制度に関する研究をした。豊かな自然が好きになり、駅前のお好み焼き屋の味も気に入った。
休みになれば、合掌造りの集落が残る岐阜県の白川村やチューリップで有名な富山県砺波市を訪れた。
「日本は私にとって、第二のふるさとになった」
「いつ殺されるか…」
歯車が狂いだしたのは、帰国してからだった。
汚職や治安の悪化で当時のガ…
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- 【視点】
世界の難民数は現在、史上最多の1億1,000万人を超える。日本の人口に迫る勢いである。 政変、内戦、弾圧などから逃れるために難民となる人々は、自分の命を守りたいだけではないことがほとんどである。母国の惨状を伝えたい、自分の経験を伝えた
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