第2回大統領の一言で決まった、横田さん夫妻と孫の対面 斎木元次官が証言
北朝鮮が日本人の拉致を認めてから21年が経ちましたが、拉致被害者の帰国が実現したのは5人にとどまります。拉致問題は「解決済み」という態度をとる北朝鮮にどう働きかけていけばよいのでしょうか。
安倍政権で日朝交渉を指揮した斎木昭隆元外務次官はインタビューに対し、横田めぐみさんの両親が孫のキム・ウンギョンさんと面会に至った舞台裏を明かすとともに、国際情勢次第では北朝鮮が日本との対話を探る可能性があるとの見方を示しました。
――2002年9月17日の小泉純一郎首相(当時)の電撃訪朝で、金正日(キムジョンイル)総書記は日本人拉致を認め、被害者5人が帰国しました。
初の日朝首脳会談が行われた21年前は、北朝鮮が敵対する日本と国交正常化を急がなければならないという政策転換に迫られていました。
前年9月の米同時多発テロを契機に、米ブッシュ政権はテロとの戦いを進め、イラク、イランと並んで北朝鮮を「悪の枢軸」と名指ししました。北朝鮮は非常に危険な状況になると恐れたと思います。
米国の同盟国である日本にとっては、北朝鮮との直接交渉に持ち込み、核・ミサイルという安全保障上の脅威を取り除き、拉致問題の解決を迫る好機だったと言えます。
北朝鮮にとっての誤算
――ただ、その後は進展がありません。
5人以外に生存者はいないと…
- 【視点】
日本人拉致問題に関する北朝鮮側の不誠実な対応は枚挙にいとまがない。だからといって、ひたすら「けしからん」と言い続けているだけでは被害者は帰ってこない。北朝鮮を動かすには、日本政府もまた北朝鮮側の指摘に誠実に対応する必要がある。 拉致問題
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