第3回蓮池薫さん「守るべき秘密ない」 解決の遅れは北朝鮮にもマイナス
北朝鮮が日本人の拉致を認め、5人の被害者が帰国してから21年が経ちました。そのうちの1人、蓮池薫さん(65)は講演などを通じ、拉致問題の解決を訴え続けてきました。被害者との再会を待つ家族の高齢化が進むなか、解決の遅れは北朝鮮にとってもマイナスになる――。そういった強いメッセージを伝えるよう日本政府に求めています。
――蓮池さんは北朝鮮で24年間、当局の管理下に置かれ、不自由な生活を強いられました。北朝鮮に残る被害者の安否が心配されます。
2002年に帰国した5人のうち、私を含めた4人は(工作機関の)朝鮮労働党対外情報調査部に所属し、同じ招待所にいました。曽我ひとみさんはジェンキンスさんと結婚後に、軍偵察局の所属になり、別の招待所で生活しました。
北朝鮮は今も、被害者を分散し、秘密保持を徹底して管理していると思います。ただ、ずっと閉じ込めておけばストレスがたまるので、買い物など最小限の外出の機会はあると思います。
――被害者は番号で管理されているという話もあります。
私と同じ招待所地区にいた工…
- 【視点】
ずいぶん前の話だが、北朝鮮に取材に行った際、蓮池薫さんたちが暮らした招待所地区を訪れたことがある。招待所といっても名ばかりで、すべて同じつくりと見られる質素な家屋が何軒も並んで建っていた。 同行した北朝鮮政府の関係者は、蓮池さんが当時の
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